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なぜ香港か、タックスヘイブン利用会社、脱税摘発

海外駐在社員向けの保険仲介代理(ウェルビーマーケティング ジャパン)が、このほど東京国税局から11億円の所得隠しを摘発された。この会社は大手損保の代理店で、主に中国や東南アジアに駐在する社員に保険を販売する会社で、約9000社の駐在員約5万人が顧客となっている。ウェルビーは東京に本社を置く、れっきとした日本企業だが、全く同名のペーパーカンパニー(ウェルビー)をイギリス領バージン諸島に設立登記。そのペーパーカンパニーが香港に銀行口座を開設した。

 

つまり東京にあるウェルビーと全く同名の口座が香港にあることになったが、東京本社とは法的に子会社でもなければ何の関係もない。保険代理店であるので、保険会社から手数料が入る。本来なら東京のウェルビーに振り込まれるのだが、香港の口座も東京のウェルビーと同じなので、東南アジア地域の保険手数料は香港の口座に振り込んでほしいと損保会社に依頼し、損保会社もそうとは知らず、ウェルビーに対しての手数料をせっせと香港の口座に振り込んでいた。

 

イギリス領バージン諸島はケイマン諸島などと同じく、タックスヘイブンで利益に対しての法人税はかからない。香港では法人税は存在するが、香港以外で儲けた利益に対しては法人税がかからない。

 

損保会社も、てっきり日本法人で手数料を申告しているものと思っていたに違いないが、この脱税が発覚したのは損保会社に対しての税務調査だ。税務調査では、香港、シンガポールに対する送金があれば必ずその内容を調査する。今や香港との租税条約や協定が成立しているので、アメリカなどよりは遥かに日本に協力的である。この会社の脱税システムは極めて幼稚でシンプルである。言えば素人の発想である。もしアップル、スターバックス、GMなどの節税コンサルタントを使えば絶対に香港はない。スイス、オランダ、アイルランド、アメリカなどが登場するのであろう。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
伊藤博之・柴田さなえ著 『男と女のワイン術』 日本経済新聞出版社 870円+税
この本は題名のようなロマンチックな内容ではなく、ワインの入門書である。私も思わず一冊読んでしまった。家飲みで、レストランで、ハズレなくおいしい一本に会うための「選び方のコツ」を徹底指南。お手頃品から高級銘柄までワイン選びの判断軸を伝授している。スーパーで赤を買うなら断然フランスのボルドーがおすすめ。白なら生産年の若い物が良く、レストランでのオーダーの仕方、料理との合わせ方、ラベル買いで失敗しないヒントまで語りつくしている。
書かれていることは、自分の「好きな味わい」とはどのようなものなのかを知れば、今後あなたがワインをご一緒に飲まれる方を導いて差し上げることもできる、結果「口説きのワイン」になるかもしれませんとしている。

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