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日本では報道されないトランプ騒動

FBIによると、先週の議事堂襲撃による逮捕者は100人以上に上り、更には100人以上の逮捕者が出ると言っている。連邦裁判所、最高裁判所、各州長官は大掛かりな不正は行われていないと明言しているにも拘わらず、選挙が盗まれた、とトランプ大統領の根拠のない主張に煽動されたトランプ支持者が各州の投票結果を覆す為にワシントンDCに集まり、暴徒化したが、かなり計画的だったと言われている。
この襲撃の前日に議事堂ツアーが行われており、そのツアーにはトランプ支持者が参加し、通常よりも詳細のコースを回ったとされている。このツアー計画の裏には3人の共和党議員が絡んでいると言われ、トランプ支持者は議事堂の詳細を、そこで把握したとされている。この暴徒化した集団にはネオナチを含む極右団体、無政府主義者、元軍人、現役の警察官、消防団員、州の議員までもが乱入し、しかも完全武装している者もいたのだ。今後バイデン大統領就任式の破壊活動を行うと宣言をしており、就任式の行われる議事堂周辺では約2万人もの州兵、警察官が集まり、バリケードや鉄条網を張り要塞化している。我がカリフォルニア州でも州都であるサクラメントに知事が州兵出動の要請をしており、全国的に緊張感が高まってきている。
Wall Street Journalによれば、トランプ大統領は就任式の朝フロリダに向けて去ると言われているが、その後ホワイトハウスはドアノブまで消毒が施される必要がある為、大変な作業が待っている。トランプ大統領は午後12時に正式に大統領職が解かれるわけだが、現在は自分と自分の家族の恩赦をどうするか、また今回弾劾裁判で離反した共和党議員の扱いをどうするかに専念していると言われている。今後、日本でも報道されているが、弾劾裁判が待っているわけで、彼のアドバイザーは今回選挙が盗まれたと主張し暴徒化を促したRudi Giuliani氏は止めて、事実を元に弁護出来る弁護士を雇うよう勧めているようだ。今回の弾劾裁判で負けた場合、次回大統領選挙に出られなくなることは勿論、シークレットサービスもつかなくなる。
それでは、トランプ大統領は何を残したのか?残したのは国境の壁だけではないかと言われているが、BBCでは、彼の就任前は654マイルあった壁は、昨年10月時点では669マイルとなったと伝えている(笑)。つまり新規のフェンスはわずか15マイルほどなのだ。これらは壁というものではなく歩行者や車が通れないようなバリケードやフェンスである。トランプ大統領の壁はBollard fenceというもので18-30 feetの高さの保護柱で作られており、壁と呼べるものではない。現在の計画では更に743マイルのフェンスを建てる予定で、その予算は150億ドルに上る。内50億ドルはUS Custom & Boarder Protection の予算から出ている。昨年トランプ大統領は57億ドルの予算を議会で拒否され、わずか14億ドルしか認めてくれなかった。そこで議会を通さず防衛省の予算から100億ドル使おうとしているが、これが裁判となり現在係争中である。トランプ氏は選挙活動中メキシコ政府にこの壁の費用を払わせると言っていたが、結局米国民の税金から支払うことにとなってしまった。トランプ氏の問題をすり替える技は魔術師のようだといわれている。米メディアの言うのは、共和党支持者の7割がこの選挙はトランプ氏が勝利したとまだ信じているのも無理はないと。

☆ 推薦図書 ☆
内館牧子著 「今度生まれたら」 講談社 1600円+税
著者は「終わった人」で映画化もされ、団塊の世代を代表する大作家である。70歳付近をうろうろ生きている者にとって、下手な人生哲学の本を読むより遥かに意味がある。
主人公は2人の息子を育て、今は夫と老後を暮らしている主婦だ。職場結婚し同僚にうらやまれた男と半世紀近く暮らしてきた。夫は退職後、趣味に生き、一見何の不満もない人生を送っているように見える。これで良かったのか、若い時の進学、仕事、結婚。しかし考えてみれば、あの時、確かに別な道もあった。やり直しのきかない年齢になって、夜中、ふと夫の寝顔を見たら「今度生まれ変わったら、この人とは結婚しない。」と、あの時、あっちの道を選んでいれば・・・
人生をやり直したい。「人間に年齢は関係ない」「年をとっても何かを始めた時が一番若い」なんて、みんなウソ。
新幹線の中で、一気に読めるが、老後を考えさせられる一冊である。

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