明けましておめでとうございます。
2週間ぶりのブログである。この間、新刊本2冊と週刊誌等の原稿3本を書いた。
さて、ウォール・ストリート・ジャーナルやロサンゼルスタイムズによると、トランプ大統領就任前に、アメリカに渡ろうとする密入国者で、アメリカとメキシコの国境は人で溢れかえっているという報道がある。
日本のメディアの誤解の一つは、アメリカにメキシコ国境を越える密入国者はメキシコ人だという報道がされているが、実はメキシコ人ではなく、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラ等中南米セントラルアメリカ系で、メキシコを経由してアメリカに来るのである。
アメリカ国境警備隊によると、11月の不法入国による逮捕者数は4万7,214人となり、2015年と比較すると44%増となっている。過去6か月で24万人の不法入国者を逮捕して、これは1日平均1,300人以上を逮捕している計算になる。
エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラなどからなぜ、かくも多き密入国者が来るかといえば、強盗や薬物汚染で治安が極端に悪くなっているのが原因だといわれている。今、これだけの大量の密入国者が流れ込んでいる背景には、トランプが大統領になったら密入国は難しくなるから、その前にアメリカ入国を果たすべきだと噂を流す密入国斡旋業者がいる。セントラルアメリカの多くの国の人々は暴力と腐敗に満ちた国から逃げたいと思っているので、トランプがメキシコ国境に高い壁を作る前に、今を逃したらアメリカ入国のチャンスはないと考えている。
不法入国者のほとんどはテキサス州国境のリオグランデ川を渡って来る。川を渡り切ると密入国者はテキサス州McAllen市外側のGranjeno市Rincon Cornerと言われる原っぱに到達する。リオグランデバレーの国境沿いは315マイルに亘っているが、フェンスがあるのは僅か54マイル(86㎞)。ここの周辺34万SFほどのメキシコ湾からテキサス州McAllen市にわたる地域で不法移民の半数以上が捕まっている。
最近の大量の密入国者の流入に備え、Department of Homeland SecurityはThanksgiving Day感謝祭(11月24日)の前に国境警備隊員を150人増やしたとしているが、自国の暴力から逃げだしたい不法入国者数は一向に減らない。先週もアメリカのテレビで、エルサルバドルから不法入国した34歳のバイクのセールスマンが他の26人の不法移民と共に捕まったと報じている。彼はリオグランデ川を3歳の息子と5歳の娘と共にいかだで渡ったが、すぐに捕まった。彼は、エルサルバドルでは地元の暴力団が年上の娘を誘致して売春させようとし、毎日が恐怖だとインタビューで語っている。密入国に成功したら、妻と娘をアメリカに呼ぼうと考えていたと言っている(こんな事はあり得ないが)。彼は国境にたどり着くまでに24日かかり、1,500ドルを費やしたと言っている。
このような密入国者が、トランプが大統領になったからといって、決して減るわけではない。彼らはメキシコを通り越えてアメリカに来るのであり、メキシコもその足場に利用されているわけで、国の主権もあったものではない。アメリカの北はカナダと接しているが、国境にはフェンスがない。フェンスがあるのはセントラルアメリカの国々の治安や腐敗が昔から酷いからであって、メキシコ人のせいではないということを改めて書いておこう。
☆ 推薦図書 ☆
中島孝志著 『巧みな質問ができる人できない人』 三笠書房 1,000円+税
著者 中島孝志氏は私と30年にも及ぶお付き合いの、親友でもある。数え切れないぐらいの出版点数。
本人が自覚していない潜在能力をいかに引き出させるか、つまり、この本を読んで開花させるというもの。人を感動・納得させて動かす、最強のツールが「質問力」だとしている。松下幸之助の研究にかけては第一人者である著者は幸之助のエピソードを交えながら、たった一つの質問でその人のレベルがわかるという。「問題の本質を突いているか」から「問題解決への意欲がどれだけあるか」に至るまで、すべてが赤裸々にされてしまう。しかし、質問ほど意欲を示せるチャンスはない。あらゆる場面で必ず結果を出す7つの質問力を教示し、この質問力でビジネスを切り拓いた人々の実例を紹介しながら成功の秘訣にたどり着く。
さらに、一流の営業マンと二流の営業マンの違いを、人間の一流と二流の違いとになぞらえている。一流の人間は、嫌なところや行きにくいところに進んで行くが、二流の人間は自分を歓迎する行きやすいところにしか行かない。これは、私も同感である。
本書は、これから人生や仕事に大きく飛躍したい者にとってのバイブルとなる書。読めば改めて今後の人生に活かせる。あなたの仕事が明日から変わるというもの。