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どこの国が一番住みやすいか

Bloombergは、ドイツのミュンヘンにある世界各国280万人の駐在員のネットワークを持つInterNationsが毎年The Expat Insider Surveyを行う、どこの国が生活しやすく働きやすいかというランキングの結果を分析している。

 

2017年は1万3000人、166の国を対象にベスト65の発表があった。今年は英国や米国がランクを落とし、英国は昨年の33位から54位へ、米国は26位から43位と大幅に下げた。これらの要因は、英国がEU離脱、米国はトランプ大統領誕生により政治的な不安が大きく影響しているようだ。確かに、米国では反トランプデモが起きやすく、暴徒化する事件も起きているのでわからないでもない。その他の理由としては、米国では教育や医療コストの上昇、英国では住宅価格の高騰が影響しているようだ。

 

因みにベストテンの国は、1.バーレーン、2.コスタリカ、3.メキシコ、4.台湾、5.ポルトガル、6.ニュージランド、7.マルタ、8.コロンビア、9.シンガポール、10.スペインとなる。一方、ワーストテンは、1.ギリシャ、2.クエート、3.ナイジェリア、4.ブラジル、5.サウジアラビア、6.イタリア、7.ウクライナ、8.カタール、9.インド、10.トルコとなっている。

 

この調査は様々なカテゴリーがあり、生活の質が評価対象となっている。
具体的にはLeisure Options(レジャーの選択肢の多さ)、1位はスペイン、65位はクエートだ。
Travel & Transportでは、1位がシンガポール、65位がナイジェリア。
Health & Well Beingでは1位が台湾、65位がナイジェリアである。
Safety & Securityでは1位はスイス、65位はナイジェリアである。
Friendly Attitudeでは 1位がポルトガル、65位はクエート。
Ease of making friendsは1位がコスタリカ、65位がスエーデンとなる。
Work-Life Balanceでは1位がデンマーク、65位は何と日本である。
Job Securityでは1位がルクセンブルグ、65位はギリシャ。
Cost of Livingでは1位はベトナム、65位はイスラエルとなっている。

 

Work-Life Balanceでは日本が最悪のランキングだが、日本人もそう思っている者は少なくないはずである。最近ニュースで過労死が多い日本だが、過労死という言葉はあまり米国では聞かない。基本的に米国人にサービス残業という考えは全くない。多くは定刻通りに出社して定刻通りに帰宅し、帰宅後は子供たちのサッカーや野球のコーチをする。夕食は家族と食べるということが習慣である。勿論日本人以上に働いている米国人も多く、その場合はそれなりの報酬をもらっているということが前提条件となる。

 

因みに日本のランキングは40位、昨年の29位から大きく後退である。また、中国だが、今年は55位、昨年は48位。どうも環境汚染問題が大きく影響しているようである。また、この調査では気候のよさ、過ごしやすさもかなり反映している。最後に米国だが、2017年は政治的な問題もあるが、外国人に対する友好的な態度がかなり悪化したともあり、トランプ大統領の移民政策の悪影響が出ているようである。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
佐藤悌二郎・青木仁志共著 『松下幸之助に学ぶ判断力』 アチーブメント出版 1,500円+税
PHP研究所専務取締役の佐藤氏とアチーブメント社長の青木氏の共著。両名とも私の親しい人である。松下哲学研究の第一人者と理念経営の実践経営者が経営の神様による「決断の極意」を読み解く書である。正しい経営理念があれば正しい判断が生まれ、事業は必ず成功する。それではどうしたら物心両面の豊かな人生を送れるのか、事業で失敗する人は次の三つが足りない。(1)判断力、(2)リーダーシップ力、(3)実行力であるとする。
事業で成功する人と失敗する人の違いはどこにあるのか?松下幸之助は、私心があるかないかの紙一重のところにあるという。それでは、公の心に立って物事を判断するためにはどうすればよいのか?それは次の三つであるという。(1)確固たる経営理念を確立して、従業員、お得意先、関係先に浸透させることを貫く。(2)何が正しいか、何が自然かの理法に従うことなのかを考えて、真理に従う。(3)人間の本質をしっかり押さえ、本質に合った経営をする。また、幸之助は、人間はダイヤモンドの原石のようで、誰でも磨けば光る無限の可能性を秘めているとも言っている。この本は経営者だけではなく、人生そのものの指針書でもある。

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