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所得税の累進課税(アメリカ)

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカ連邦個人所得税は減税策を打ち出しているにもかかわらず、累進課税の影響で高額納税者の税負担は大きくなっているという。連邦所得税はアメリカ歳入の最も大きな部分で、Congress’s Joint Committee on Taxationによると、2017年はアメリカ歳入額の48%であったものが、2018年には50%になるという。

 

2017年及び2018年のTax Policy Centerが発表したものによると、アメリカの1億7500万世帯を5つのカテゴリーに分け、各カテゴリーには6500万人のアメリカ人がいると仮定する。所得には給料や投資収入の他に健康保険料などの支出も含めると、最下位のカテゴリーでは、支出が所得の2倍にもなるという。まさに破綻状態。一方最上位のカテゴリーでは、それらは所得の20%だとしている。

 

2017年及び2018年には、アメリカ人所得トップ20%は年所得15万ドル(1600万円)以上の世帯であり、これは全米全所得の52%を占めていて、全米全所得税収入の84%~87%を占め、90%まで上昇すると言われている。一方、下位60%の世帯、年収8万6000ドル(900万円)以下では全米全所得の僅か27%で、連邦所得税は課税されないとされている(日本ではかなりの課税になるが)。

 

個人所得課税収入の他に、アメリカの歳入では社会保険料(Social Security TaxやMedicare)があり、これは全歳入の34%、法人税収入は僅か全歳入の7%でしかない。その他の収入としては、売上税、相続税・贈与税、関税等々、僅かしかない。日本とは大きく乖離している。

 

2018年で所得トップ1%のグループ(約100万世帯)がなんと、全米所得税収入の43%を占める。2017年は38%であるので、だんだんと上昇している。トップ1%グループの平均所得は年7300万ドル(80億円)。日本では考えられない年収であるが、Tax Policy Centerによると、所得トップ5%による所得税支払は今後もますます大きくなるとしている。不思議なのは、トランプの税制改正では最も高所得者が恩恵に与っているのに。

 

カテゴリーの最下位、1位と2位の77万世帯は所得収入全体の13%を占めているにもかかわらず、支払所得税はマイナスとなっている。これは何故か?これは、アメリカ政府は低所得者層に対して援助をしてきたのである。課税の発生しない低所得者層にはEarned-Income Tax Creditを適用し、払った税金を還付するというもの。トランプ税制改正では、低所得者層の割合は低くなっていて、彼らもSocial Security Tax等社会保険料は払っているので、これらを含めると所得はプラスになる。

 

また、所得トップ20%の人たちも社会保険料を含めると、所得税の割合も87%から67%に低くなると予想されるが、アメリカの財政はいかに富裕層、しかも超富裕層(100万世帯)に支えられているかがわかる。日本もそれに近い。国が富裕層を粗末に扱う、扱わないかが日米の大きな違いでもある。

 

 

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