8月になると毎年、多くの人が夏休みを取りバケーションに家族ごと出かける。その際、通常は窓を閉め、玄関に鍵をかけ、新聞を止めることもある。ところが、全人口の0.01%の超富裕人は高級腕時計、宝石、絵画、その他の高価なものをBuben & Zorweg製の金庫に入れ、番号を打ち込んで夏休みに出かけることになる。

ブルーンバーグによると、超富裕層の家の金庫番として突出した人気があるのがBuben & Zorwegの金庫。この金庫は最上質ランクのVdSの認証を受けていて、ベロアやナパレザーのラインナップもあり、無数の色を選ぶことができる。顧客層は年間の可処分所得400万ドル（5億円）以上をターゲットとしている。Buben & Zorwegはドイツのバーデン・ヴィルテンベルグ州のシュトゥットガルト市近郊にあり、手作りで金庫の製造を行っている。シュトゥットガルト市はダイムラークライスラー、ポルシェ、ボッシュの本社があることで世界的に有名な街である。

Eberhard Hagmann氏 はBuben & Zorweg社のデザインのヘッドとして15年前に入社したが、もともとは時計会社のユンハンスで働いていた。時計作りと金庫作りにそう違いはないとEberhard Hagmann氏は言う。彼は見映えのするさまざまな詳細を金庫の細部に取り入れ、売上を伸ばしてきた。彼が設計したX-007型金庫は一つのボタンを押すだけで、カモフラージュされた殻の中からドラマチックに現れるという仕組みである。その内部はAston Martin One-77の内部デザインをほぼ忠実に再現している。彼の金庫のロックシステムはスイス銀行の金庫用に作られたものである。

長年にわたり顧客の好みが変化してきているとEberhard Hagmann氏は言いう。ここ数年デザインにこだわる人が多くなり、最近では金庫とはわからない金庫が増えてきており、まさに家具になりつつある。たまに顧客から特別なリクエストで、特別なレザーや木を使うことがある。これらの顧客は家やコンドミニアムから絵画を持ってきて、これに合う金庫を作って欲しいとリクエストしてくる。オプションとして、クロム、クロコダイルレザー、ファイバー、漆等があるという。

The Solitaire Visionという金庫の値段は26万3800ドル（3000万円）からであるが、Buben & Zorweg社の中で最もポピュラーなものである。ドアは防弾ミラーガラスで厚さ0.5インチ以上ある観音扉方式だ。この金庫はボタン一つでドアを開けることなく内部を見通すことができる。機械式のキーでドアを開けることができ、その中は38個の機械式時計を収容できるWatch Winderが縦に配置してある。その下には更にダイアル方式で開けることのできる金庫スペースがり、更に8個の機械式時計及び3つの引き出しが備えられている。更にサイドのスペースにはワイン等の高級酒類や葉巻ケースが備えられている。またBluetoothを介して、金庫のなかにあるオーディオシステムとあなたの携帯電話を繋ぎ音楽を聴くこともできるという。これは人には言えないレコード等を聞くことに使えるかもしれない。もちろん温度コントロールもでき、内部のレイアウトも顧客のニーズに合わせ変えることもできる。このような金庫は既存概念を超えたもので、日本の国税庁お抱えの鍵師が対応できるかどうかは、はなはだ疑問である。やがてこのような金庫が相続税の高い日本にやってくるのは、そう遠くあるまい。

☆ 推薦図書 ☆
南和友著　『心臓・血管・血圧』　アチーブメント出版　1200円＋税
著者は世界的に有名な心臓外科医でドイツ・ボッフム大学永代教授であり、私の最も近くの医師でもある。この世界№1日本心臓外科医が教える、不整脈、動脈硬化、心臓病、脳卒中、腎臓病、認知症、高血圧、糖尿病、脂質異常症などすべての悩みを解決する方法を、いままで、2万例を超える心臓・血管・肺手術を執刀した名医診断から予防法まで優しく解説している。
この本では日常生活で誰でも簡単に実践できる、血管年齢マイナス20歳の健康法を伝授している。
病気のサインを見逃さない初期診断、動脈硬化した血管を若返らせるストレッチ、血流をあげる食事法、血圧にやさしい休み方、心臓病を遠ざける毎日の習慣など・・・
血管病は全身病だ、病気には全て原因があることを知り、しっかりと ケアすれば、誰でも健康を維持できる。必読の書である。