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アメリカ歴代大統領のランキング発表

最近、比較的メディアの露出が乏しいトランプだが、昨日Trump Organization及び Trump OrganizationのCFOが脱税の罪で告訴され、CFOの Allen Weissenbergは重窃盗罪で逮捕された。トランプの名前は罪状にはないが、検察の最終目標はトランプ逮捕だと言われている。検察はトランプの元ボディガードで現在COOの Matthew Calamariに対してもまだ逮捕はされていないがトランプの関わりにつき告白するよう圧力をかけているようである。
最近、C-SPAN (American Cable and Satellite Television Network)という連邦議会放映を中心とするケーブルテレビ会社が大統領専門の歴史家142人に対し行った歴代大統領ランキング(トランプまでの46代大統領まで)の調査を行い、トランプは歴代何位なのかという記事がワシントンポストに出た。トランプは僅か31日しか在任していないWilliam Henry Harrison よりも下位だった。更に、当時副大統領だったJohn Tyler (1841-1845)は、自動的に10代大統領に就任したが、選挙で選ばれなかった大統領として最も在任期間が長い大統領である。そして退任後、南北戦争が勃発し、彼は南の連合国側に忠誠を誓うのである。これにより、彼の死後、彼の棺には米国合衆国の旗ではなく、連合国の旗が巻かれ埋葬された唯一の大統領であるとされている。
それではトランプのランキングはどうかというと、下から4番目という結果となった。そうすると、トランプより下にいるのは誰なのか、それはFranklin Pierce、Andrew Johnson、James Buchanan(最下位)となっている。Franklin Pierceは14代大統領で就任期間は1853-1857、南部を支持し、Lincolnを強く批判したことで有名。Andrew Johnsonは17代大統領で就任期間は1865-1869、奴隷に市民権を与える憲法4th Amendmentに反対した。James Buchananは15代大統領で就任期間は1857-1861で、南北戦争を止められなかったとして今でも批判の的になっている。
2009年以降この調査でのトップ4とボトム3は常に同じ顔ぶれである。因みにトップ4の顔ぶれだが、トップはAbraham Lincoln、2番 George Washington、3番 Franklin Roosevelt、4番 Theodor Roosevelt の順となっている。定位置だ。この調査の選定方法だが、リーダーシップ、経済、道徳的権限、国際関係、事務処理能力、議会との関係、ビジョン、公平公正の追及 の観点から1-10で採点をし、多くの点数を得た順となっている。因みにトランプは道徳的権限と事務処理能力で最下位となっている。
今回の歴代大統領ランキングだが、1933から1969年にかけての5大統領、ル-ズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンは常に上位11位以内が定位置となっていて、1837-1869年の大統領はリンカーンを除き下位を占めている。このように南北戦争で連合国に加担する、もしく奴隷制を肯定した大統領はトランプ氏を超えて評価されていないことがわかる。アメリカには様々な国地域からの移民がいる。Black Lives Matterの運動がどうして他の人種でなく黒人なのか、歴代大統領ランキングの記事を見て、この運動が米国の深い歴史に基づくものかも理解出来る。

推薦図書。
ジュールズ・ボイコフ著 井谷聡子他監訳 「オリンピック 反対する側の論理」 作品社 2970円+税
東京・パリ・ロサンジェルスをつなぐ世界の反対運動。という副題がある。かつてサッカー選手で米国のオリンピック代表であった著者が、今のオリンピックは「資本主義の化け物」と位置付けたのである。近代オリンピックはフランスのクーベルタン男爵が、厳しい規律と男らしさをスポーツに組み込めば、普仏戦争に敗れたフランスを活気づけられると考え、若者を戦争のために鍛える手段であった。今は全く違う。膨大な費用や、過度の商業化、IOCの腐敗など目に余るものがある。オリンピックのトップスポンサーはコカ・コーラ、GE、インテル、パナソニック、P&G、サムスン、トヨタなどトップテンのスポンサーが4年間に10憶ドル(1000億円)をはるかに超える広告費用を拠出している。加えて放送権料がある。2016年のリオデジャネイロでは41億ドル(4500億円)、その中心はアメリカNBCである。現実には、オリンピックはテレビのためのイベントと化した。非営利組織のIOCの預金残高は常に21憶ドル(2200億円)を下回らない。非営利組織としては断トツの利潤をあげている。IOC理事会のメンバーの日当は900ドル(10万円)さらに年間業務支援経費として7000ドル(80万円)そして出張は、五つ星ホテル、豪華な食事、統計によるとメダルを獲得したアメリカ選手よりも、理事の方が多額の収入がある。加えて、常に誘致合戦での賄賂。かつてシドニー誘致チームのリーダーのジョン・コーツは投票前夜、ウガンダとケニヤのIOC委員に7万ドルを送金した。結果、翌日シドニーは45票対43票で北京を破った。そのコーツは東京オリンピックで調整委員会委員長として来日する、皆様常にプライベート・ジェットで移動しているのだそうだ。

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