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法人の脱税業種ベスト10とは

国税庁がこのほど発表した昨年度の法人税の税務調査実績によると、最も脱税摘発が多かった業種は「バー・クラブ」であった。この業種は2020年度まではトップであったが2021、2022年はコロナの影響でランキング外であったが2023年はやはりトップの座に返り咲いた。昔はラブホテル、パチンコ、貸金業などは常連であったがコンピューター管理などで数字をごまかせなくなった。「バー・クラブ」に税務調査が入ると、なんと不正発見割合が59.0%、6割の店が不正をしていることになる。店のホステスにしても給与扱いではなく、従って年末調整もなく、果たして本名で働いているのか疑わしい。店も1割の源泉徴収で、ホステスは事業者として扱われ確定申告しなければならないが、歌舞伎町あたりで、はたしてどれだけのホステスがまじめに申告をしているのだろう。当然支払う方の店も架空の人名や架空の経費、それに売上除外も横行する。脱税業種の②番目が「その他の飲食業」③番目が「外国料理」と続くが不正が多いのは、やはりキャッシュビジネスである。レジの現金などいくらでもごまかせる。大手チェーンや自販機で売っているところは管理できるが、その他は、その気になれば売上除外は簡単だ。アメリカでもサービス産業はチップだが、金額の把握は難しい。ただアメリカではForm1099というのがあって、個人に年間600ドル以上支払えば、IRSにその内容等を提出する義務があるが、日本にそれはない。続いて④「土木工事」➄「美容」⑥「一般土木建築工事」⑦「職別土木建築工事」⑧「廃棄物処理」⑨「船舶」⑩「その他の道路貨物運送」
以上が調査対象の1件当たり不正額ランキングであるが、最近は税務調査にあたり業種別ではなく、2つの事項に注目を国税当局はしている。一つは「消費税の還付申告」である。課税仕入れが多いと還付申告するが、必ず還付申告会社にはチェックする。もう一つは海外取引会社である。「消費税還付申告法人」「海外取引法人」は国税当局の重点調査対象になっているので要注意である

☆ 推薦図書。
田原総一朗、養老孟司 著 「老人の知恵」 毎日新聞出版 1430円
かなりのご老人のお二人が、戦後日本を語ったり、現代社会に漂う息苦しさのわけを探ったりする対談本である。中でも面白いのは脳科学者である養老孟司氏が「ChatGPTがいくらもっともらしい回答をしても、言葉の意味を理解しているわけではなく、ある言語体系のなかの文法やルールに従って、人間の質問に対して可能性の高い文字列を並べているにすぎないんです。ChatGPT、つまりAIの内部では、一つ一つの単語(記号)は人間のように経験や感覚(接地)しているわけではなく、これが記号設置問題です。」「言葉だけが浮いているんだ」「どこまで行っても、人間が伝えようとする言葉の意味と意図は全く理解できない」と。また80歳を過ぎたら我慢しないで好きに生きた方がいい。など新幹線のなかで読破した、ためになる本である。

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