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2025年度税制、通常国会に

石破内閣初めてとなる予算と税制。今月の通常国会に上程される法案が決まった。歳入の根幹たる税制を見ると、これといった目玉が全くない。自民・公明の与党が衆議院で過半数割れを起こしたため国民民主党が掲げる年収103万円の壁に対応せねばならなった。働きすぎて103万円以上稼いだら夫の扶養者から外れ、夫の税負担が増える。それを問題視したのである。私に言わせれば妻が200万円300万円稼いだらいいと思う。稼ぐ以上の税金はかからないのだから。こんな低次元の議論を政党間で行っている先進国はない。国も貧しくなったが、国民の心も貧しくなったのではないかと。それより強い日本、豊かな日本を作るには、どのような税制が必要かなどの議論があってしかるべきだが、ない。今年の税制の目玉は①給与所得者の所得税の非課税枠を103万円から123万円に引き上げ②特定扶養控除の年収要件を150万円に引き上げ、これもおかしい、学生アルバイトで稼ぎすぎると親の扶養控除から外れるから、子の年収の上限を上げたということ。大学生になったら学問を一生懸命学ぶのが一番の仕事だと思うが、日本では学生アルバイトをするために大学生になるのだろうか、アメリカでは、ほとんどの大学は学生寮を持っている。校舎での授業は夜にはないが、24時間空けているのは図書館である。UCLAやスタンフォード大学に行くと夜中で床に寝ている学生もかなりいる。皆、勉強に必至である。アルバイトの余裕なんかない。日本はいったん大学に入れば卒業するのは簡単だ。特に文科系は大学に行くのはバイトがない時だけだという4年生もいる。しかもそのような学生がいる大学に文科省は補助金も出している。このまえ補助金を出さないとして処分した日本大学は毎年の補助金は100億円だ。これも我々の税金で賄われている。教育は国の基礎だ、アメリカの大学と日本の大学のゆとり教育を見れば将来の国力の差は歴然である。これから先の日本の国力の低下は必然であろうことは疑いの余地はない。単なる少子高齢化だけではない。
また、北朝鮮や中国の脅威に対応するための防衛費増に対応するための増税であるが、笑えるような話である。たばこ税の増税でそれを補うとある。喫煙者は新幹線の車内でも、駅でも喫煙できなくなったが、毎年1本あたり0.5円ずつたばこ税を引き上げるのだそうだ。財源をたばこに求めるならば、日本防衛のため喫煙者を大事にしないといけない。東京・大阪など路上喫煙を禁止しているが、そんな喫煙者を粗末にしてはならないのである。もっと吸っていただけるような環境整備しないと北朝鮮のミサイルに対抗できないのではないか。
新税制改正の骨格は以上の通りである。これほどさみしい新税制は今までなかった。40年間の感想である。石破内閣はいつまで持つのだろうか?

☆ 推薦図書。
坂本貴志著 「本当の日本経済」 講談社現代新書 1100円
データが示す「これから起こること」が副題としてある。主として人口減少を本題に据えている。労働力人口の減少や高齢化によって、労働投入量(総労働時間数)が減っている。労働力の供給が制約されてはいるが、医療・介護など人手を必要とする需要が伸びている。そして人員を確保したいがため賃金を引き上げる動きがあちこちで生じている。さらに追い打ちをかけるように、働き方改革関連法の影響で労働時間の減少がますます加速している。賃金上昇などの追い風もあり、女性や高齢者の労働参加が増え、労働参加率は先進国では世界トップレベルに達している。そして今後どのようなことが起こるのか、まず、人手不足がますます深刻化する。優秀な人手を確保するため、企業間で賃上げ競争が起き、企業は人件費上昇分を商品価格に転嫁する。その結果、物価上昇が進んでいく。

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