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環境税という二重課税

環境税とは正確に「地球温暖化対策税」という。この新税法は民主党、野田政権下で誕生した。京都議定書に基づき地球温暖化を阻止すべく、石油などの化石燃料の取引に課税し輸入業者がこの税を納める。ガソリン1リットルあたり0.5円である。この4月に0.25円から0.5円に上がったばかりだが、2016年4月には0.75円となる。家計の負担は年800円から年1,200円となる勘定だ。

 

東日本大震災で原発は止まってしまった。この環境税は地球温暖化をくい止めるため石化燃料を使用する者へのペナルティともいえる税である。翻ってみると原発推奨であるが、世の中が変わってしまった。震災以来、原発をやめ、石油石炭にかかるこの税収は20%も増えた。当然であろう。

 

考えてみれば、ガソリンにはガソリン税が大きくかかり、環境税も負担する。その上消費税が8%かかるというと、自動車所有者にかかる負担は大きい。自動車取得税、自動車重量税、毎年かかる自動車税とこのガソリンにかかる税、さらに高速道路を走れば通行料金がある。

 

オーストラリアでは、かつて、相続税があったが、不動産に対して毎年固定資産税を支払っているのに、さらに所有者が亡くなればそれに対して相続税を負担するのは二重課税だとして、納税者が訴えた結果、相続税・贈与税はなくなった。

 

日本はどうだろう。土地に対しては相続税・贈与税はかかるわ、売却益が出れば所得税・住民税がかかる。買うときにも、印紙税・登録免許税、不動産取得税はかかる。所有していれば、固定資産税・都市計画税の毎年の負担も大きい。不動産のみならず自動車も持てる者への二重課税どころか、三重、四重課税もある。

 

アメリカなどでは大問題となるが、日本人は税に対して声をあげない。環境税に見るごとく、国民の知らぬ間に様々な新しい税が忍び寄っている。

 

 

☆ 推薦図書 ☆


丸山敬著 『これだけは知っておきたい認知症 Q&A 55』 ウェッジ選書 1,400円+税


認知症患者800万人時代がすでに始まっている。著者は東大医学部卒の有名な精神科医であり、この本はそのため少々難しい。アルツハイマー病の第一線の研究者であるため、かなり専門的である。若年アルツやうつ病にもメスを入れているが、この種の論文には偽情報(でっちあげ論文)が横行しているという。

しかし、どんなに辛い学習でも、無知の方がずっと高くつくものであるという信念のもと研究している。これから先、日本の未来はないとして、早く呆けた方が楽になると締めくくっている。笑えるが恐ろしいことでもある。

 

 

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