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アメリカの2014年度税制改正案、日本との差

下院歳入委員会委員長のDave Campはこのほど、法人税率や個人所得税率の引き下げを含む、2014年度税制改正案(979ページ)を公表した。日本の2014年度改正案は100ページほどだが、2014年度税制改正案の日米の差異を考えてみたい。

 

(1) アメリカは5年間で法人税の最高税率を、現在で35%を5年間かけて25%に引き下げる。つまり2015年から2019年にかけて毎年2%ずつ引き下げる。

一方、日本の改正税法では、現在38.01%であるのを、復興特別法人税を1年前倒しで廃止し、35.64%とするとした上で、その後の減税はない。

 

(2) 一方、個人の税率では、アメリカは現行の7段階の税率区分を10%、25%、35%の3段階とし、最高税率を39.6%から35%に引き下げる。そして最高税率の35%は、独身者の場合で40万ドル(4000万円)、夫婦合算課税の場合は45万ドル(4500万円)を超える所得に課税するとある。

日本の所得税率の場合は現在、年所得1800万円を超えると40%(他に住民税10%)だが、減税は全くなく、平成27年分以後は税率を7段階、最高税率を現在の40%から45%(住民税込みで55%)に引上げ、いよいよ税金より本人の取り分の方が少なくなる時代に突入。

 

(3) 株式譲渡益課税や配当所得課税は昨年までの10%課税から20%課税に平成26年からなった日本だが、アメリカでは原則としてそのような日本の分離課税方式を取らず、日本でいう総合所得として課税するが、改正案では、その所得の40%を非課税とするとしているので、実効税率は日本よりかなり低くなる。

 

その他、さまざまな新税制が用意された。住宅ローンの借入限度額は日本並みに50万ドルに引き下げられたが、特に個人に対する所得税率の引下げを図るアメリカに対して、引き上げる日本の違いが顕著になってきた。これでは、日本はいくら経済特区を作って優秀な外国人を呼び込もうとしても話にならないのではないか。税源確保をいつも叫ぶ財務省も本当に考え直してほしいと思う。

 

 

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