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夢の国モナコ、所得税ゼロ、超富裕層だらけ

今、アメリカからの帰路、またまた太平洋の上空からのブログ。デルタ航空であるが機内からネットがつながるようになったのは有難い。ところでブルーンバーグ誌によれば、アメリカIRSのスイスへの攻撃のおかげで、最近世界の超富裕層はスイスからモナコに移っているという。匿名性はさほどないが、所得税はないし、気候もよいモナコ。今そこでは世界一の不動産ブームがおこっている。何しろモナコの人口は3万8千人、面積は僅か2.02平方キロメートルである。面積でいえばローマのバチカンに次ぐ小国である。今建築中のTour Odeonというビルのペントハウスは3300平方メートル(1000坪)あり、売値が4億ドル(400億円)で来年完成だが、何と予約で一杯とか。今東京の赤坂、青山、虎ノ門などのマンションも高くなってきて、高いものでは一坪当たり500万円を超える物件もあるが、モナコでは一坪6000万円をゆうに超えているのだ。今まで高いと言われたニューヨーク・マンハッタンの高級マンションの3倍である。

 

こんなところに誰が住んでいるのかと言えば、有名なところでは、モナコのサッカーチームAS Monacoのオーナーであるロシア人富豪のDmitry Rybolovlevや、F1ドライバーであるLewis Hamiltonである。昔はAyrton Sennaや有名サッカー選手やテニスプレーヤーもモナコ在住が多かったが、今もそうである。何しろ所得税なしなのだ。ちなみに日本人では中田英寿がモナコ在住であり、クルム伊達公子もそうである。意外と知られていない事実である。そのうち錦織圭も住むのではないか。

 

それではモナコは所得税も取らずに、何で経済をもたしているのか。法人税が33.3%(但し、この課税はモナコ国外での売上が総売上の25%を超える場合、もしくは、特許権、商標権、著作権での利益受取りを行う場合に限る)。やはり一番税収が多いのは日本でいう消費税、つまり付加価値税及び関税の19.6%であり、モナコの税収1000億円の70%を占める。相続税は原則ゼロで、これは直系親族、夫婦間だけだが、それ以外でも10.16%である。つまりこの国は富裕層の人に不動産や高級車や宝石を買ってもらい、そこで付加価値税を払ってくれというわけである。

 

フランスのオランド大統領のせいで富裕層が隣国に逃げ出したが、スイスのジュネーブでは最近1年間で30%不動産価格が値下がり、またロンドンの高級住宅マーケットも、イギリス政府の不動産取得税の引き上げに加え、不動産譲渡課税の引き上げを計画していることもあり、ロンドンからモナコへの買い換えも進んでいる。しかしモナコには土地がない。実際、昨年は、マンションは15戸供給されていない。したがって価格は上がる一方だが、世界の超富裕層にとっては、気候のよさとタックスヘイブンの恩恵にあやかりたいとする者が後を絶たない。

 

モナコには王族を守る大公銃騎兵中隊が100名ほどいるが、実際はフランスの軍隊によって守られている。モナコには特例があって、フランス人で1957年(昭和32年)以降モナコに移住した者は、フランスに税金を納めないといけない。フランスがモナコを併合しない理由もここにある。

 

それはともあれ、一度モナコに行ってみるがいい。超富裕層が集まる国だけに、警察官の数は圧倒的に多く、国民73人に1人という割合。あちこちにポリスを見かける。しかも街中のありとあらゆるところに監視カメラが設置されていて、ゴミもない。日本で言えば、皇居の中みたいなものか。

 

 

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松居一代著 『松居流 マネーの掟』 主婦と生活社 1200円+税
著者は私の大親友であり、俳優・船越英一郎氏の妻である。昔、11PMで藤本義一の相手としてデビューしたので、彼女のイメージは本物とは異なるかもしれない。しかし実際の彼女は金儲けに長けていて、しかも伊勢神宮には事あるごとに早朝から参拝している。
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